(2024年 ロイター/ISSEI KATO)

 

1月2日の羽田空港で日本航空機と

海上保安庁の飛行機との事故がありました。

パイロット、CAの方々の冷静で、

献身的な行動が、

多くの生命を救いました。

JALの乗務員の方々の英雄的な行動に

敬意を表します。

そして亡くなられた海上保安庁機の

乗組員の方々のご冥福をお祈りします

 

一方、乗客の人たちの行動、心境は

どうだったんでしょうか?

乗務員の指示に従って

冷静に行動なされた多くの方がいた一方、

パニックに陥った叫び声も聞こえました。

またショックで

動けなくなった方もいた様です。

 

危機的な状況において、

人間は予想外の様々な行動を取ります。

 

危機的な状況における人間の行動を

ポリヴェーガル理論は、

性格、人格以前の

神経系の反応として説明します。

 

私たちは自律神経を

交感神経と副交感神経からなりたち、

両者で相互に補いながら身体の恒常性を保つ 

と学んできました。

 

ステファンポージェスは、

自律神経系は環境に対応し人間の

安全を確保する危機管理システム

でもあると考えました。

そして、腹側迷走神経(社会関与システム)、

交感神経

背側迷走神経の3つのシステムで、

自律神経が構成され、

環境に適応していると考えました。

 

ポリヴェーガル理論は、

複数(ポリ)の迷走神経(ヴェーガル)理論という意味です。

 

腹側迷走神経

冷静に反応するのは、

哺乳類になってから発生し、

特に霊長類で発達した神経系ー腹側瞑想神経系の機能です。

哺乳類は母乳で子供を育てます。

卵を産んで育てる動物とは、

違った母子関係が生まれます。

より深い関係が生まれます。

それが新しい種類の神経細胞を持った神経系ー腹側迷走神経です。

 

 

哺乳類は、他の動物と違った新しい神経細胞を持ちます。

腹側迷走神経の神経細胞の軸索は、ミエリン鞘という鞘に覆われています。

その中を情報が早く伝達します。

そして情報が保護されています。

母子関係の中で腹側迷走神経は成長し、

人間関係、社会関係の基礎になります。

腹側迷走神経が働いていると、

人々と交流しながら、

落ち着いて全体状況を把握し、その場にいることができます。

 

交感神経

興奮状態になる人は、交感神経が主に動いている状態です。

精神的には、高揚、興奮し、アドレナリンが活発に出されます。

闘争か逃走かとも言われる行動パターンをとります。

興奮がすぎると、冷静に全体状況が見えず、

身の危険にパニックになります。

脊椎動物に発生し、哺乳類で典型的な神経系です。

 

背側迷走神経

ショックで動けなくなってしまうタイプは、

背側迷走神経が主に機能しているパターンです。

生命の危機には、フリーズ、凍り付きます。

爬虫類が典型です。

 

ご自身を振り返って、どんなパターンがありますか?

冷静な時も、

ショックに何も言えなかったことも、

あるいは大喧嘩をして大声を出したこともあるかもしれませんね。

またどれか一つの神経系が100%動いているのではなく、

腹側迷走神経が働いて冷静でありながら

交感神経も働いて、フルに身体を動かしている、そんな状況もあるでしょう。

 

どうしてあの時、NO!って言えなかったのだろう?

反論できなかったのだろう?

そんな悔しい出来事は多くの人にあると思います。

『私、臆病だから、弱虫だよね〜』

とか思うのではなく、神経系の無意識の防衛反応だと考えてください。

そうやって、あなたを守ってきました。

(もしかしたら、もう必要のない神経の癖かもしれませんが・・・)

 

興味深くないですか?

今まで、性格や心理的なあり方として語られていた人間の在り方を、

生理、神経のあり方から見ていく神経理論、ポリヴェーガル理論が、生まれました。

 

全く新しい人間観、世界観がポリヴェーガル理論とともに生まれつつあるように思います。

これから少しづつ、ポリヴェーガル理論について触れていきます。

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ニューロセプションー私たちの行動は神経系の反応〜ポリヴェーガル理論②

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最後まで読んでいただきありがとうごいざます。

寒い日々が続きます。

お身体に気をつけてお過ごしください。

愛を込めて

ぎり